相続税の申告を無視したらどうなる?
相続税の申告を無視することはできる?逃げ道は?
税理士法人トライウィンコンサルティングです。
「相続税の申告について、自分が申告の必要があるのか、確認するのがめんどう。。。」
「できれば相続税を払いたくない。そんなに多額の資産があるわけではないし、申告しなくてもバレないのでは?」
上記のようなご相談をお伺いすることがあります。
しかし、以下3つの理由から相続税の申告を無視することはオススメできません。
- ① 税務署の調査力・調査権限は非常に強く、バレない確率は低い
- ② 申告しないことによる、機会損失が大きい
- ③ ペナルティにより、追加でコストが発生する
① 税務署の調査力・調査権限は非常に強く、バレない確率は低い
相続税は申告制といえど、金額が大きいため、しっかりと納税を管理するための仕組みが整っています。
まず、市町村役場に死亡届が出されると、税務署にも情報が連携される仕組みになっており、税務署が相続発生のタイミングに気づかないということはありません。また税務署は、金融資産や不動産など財産状況に関するあらゆる情報を把握してますし、必要な情報を請求する調査権限も持っています。
そもそも、これらの情報を元に、相続が発生する以前(生前)から、相続税の納税者となりえる対象者をリストアップしていると考えられるので、申告をせずに相続税を回避して逃げ切るというのは無理な話で、たいへん非現実的といえます。
② 申告しないことによる、機会損失が大きい
相続税の申告や、そのための納税要否の検討をしないことは、あまりおすすめいたしません。なぜなら、相続税には特例や優遇措置が多く用意されていて、その中には申告を条件とするものも含まれます。
しかし、申告をせずに後から税務署の指摘などにより納付することとなった場合、それらの特例や優遇措置が使えなくなってしまう恐れがあり、本来であればできた節税ができなくなり、大きな機会損失となりえます。
③ ペナルティにより、追加でコストが発生する
また、本来申告・納税すべき相続税を怠った場合、罰則が発生します。
次は、どのようなペナルティが発生するのかを具体的に見てみましょう。
まとめ:必要な相続税申告の回避は難しく、デメリットだらけ!
相続税を申告しない、バレたらどんなペナルティがある?
相続税を申告しないと、本来納めるべきであった相続税に加えて、未払いに対する罰金がかかります。
発生する罰金は、① 延滞税(利息的性質のもの)、② 無申告加算税(申告を怠ったことに対する罰金)です。
相続税の申告をしなかった場合のペナルティ
種類 | 内容 | 金額 |
---|---|---|
① 延滞税 | 滞納したことに伴う利息のようなもの。 納めるべき金額に対し、延滞した期間に応じて発生。 |
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② 無申告加算税 | 必要な申告を期限内にしなかったことに対するペナルティ。 |
(※)納付税額が50万円以下の部分は15% |
なお、申告したとしても本来納めるべき金額よりも少なかった場合は、過少申告加算税が発生します。なので、適当に相続税申告書を作成するということもできません。
過少申告加算税 | 申告はしたけれども納付が過少だったことに対するペナルティ。 追加納付金額に対し発生。 |
(※)追加納付税額が50万円以下の部分は10% |
また、故意に申告しない場合、重加算税(税務署が特に悪質と判断した時)が適用されるケースもあります。
重加算税 | 事実の一部を隠ぺいし、または、仮装した場合のペナルティ。 |
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まとめ:相続税の申告を怠ると、延滞税と無申告加算税が発生する!
税務署からの連絡(相続税の税務調査)は本当に来るの?
相続税の税務調査がどれくらいの確率で来るのかというのことも、大きな関心事だと思います。
相続税の税務調査は、全国平均で約10%超の割合で実施されています。大都市に比べて申告件数が少ない分、福岡のような地方都市では税務調査の確率も高くなり、地方になればなるほど、その傾向は強くなります。
税務署に目をつけられやすいと考えられるため、無申告のケースではさらに税務調査の確率は高くなってしまうでしょう。
実地調査件数(平成30事務年度) |
12,463件 |
申告書の提出数(平成29年中) |
111,728件 |
税務調査の割合 |
11.15 % |
(※)国税庁HPデータを加工
まとめ:相続税の税務調査割合は10%超、無申告の場合はリスクがUP!
以上のとおり、必要な相続税申告をしないことは、想像以上のデメリットがあります。申告の準備に時間が取れない場合は税理士に相談するのも一つの手段ですので、ぜひご検討ください。