配偶者居住権が施行されましたね。
令和2年4月1日以後に作成した遺言書については、残される配偶者に 遺言により配偶者居住権を取得させることができます。

遺言書を作り直そうという方、これから遺言書を作ってみようという方のために、配偶者居住権について 実際にどのように遺言書に記載すればいいのかということをご説明させて頂きます。


※配偶者居住権は相続税の節税になる!?
税理士目線の記事はこちら → https://triwin-tax.com/2020/02/14/haiguushakyojuukenn/




~ 記載例 ~ 
※配偶者居住権を妻に、建物の所有権を長男に取得させる場合 


第1条 私は、私の所有する下記の建物(以下「本件建物」という。)の配偶者居住権を、妻〇〇(昭和〇〇年〇月〇日生)に遺贈する。

所  在  福岡市中央区大手門三丁目1番地2
家屋番号  1番2
種  類  居宅
構  造  木造瓦葺2階建
床  面  積  1階 72.62平方メートル
            2階 40.60平方メートル
(※不動産の登記簿謄本に基づき一言一句違わず、正確に記載していきます。)


第2条 私は、本件建物を、長男〇〇(昭和〇〇年〇月〇日生)に相続させる。





期間について

配偶者居住権の存続期間を定めなければ、存続期間は終身(残された配偶者が亡くなるまで)となります。
もし10年とか20年とか期間を定める場合には、次のような記載をすれば大丈夫です。

第1条 私は、存続期間を私の死亡時から10年間として、私の所有する下記の建物~
(※赤字以外の書き方は、上の記載例と同じです。)



自宅の土地部分について

配偶者居住権は建物のみに設定されるので、土地については配偶者居住権について触れなくて大丈夫です。
通常の遺言と同じように、土地の取得者を記載しましょう。

※配偶者居住権の記載が載るのは建物の登記簿謄本だけですが、相続税計算上は建物・土地どちらにも評価額に影響があります(=節税に使えます)



相続させる or 遺贈する?

法定相続人に遺産が渡るように遺言書を作成する際は、「遺贈する」ではなく「相続させる」という文言が使われることが多いです。


大きな違いは不動産の登記手続きにあります。

相続させる → 遺産をもらう人が単独で手続きできる。

遺贈する相続人全員で手続きしないといけない(≒他の相続人全員から委任状をもらったり印鑑証明書をもらわないといけない)


                                 


「相続させる」の方が手間が少なくて便利・・・なのですが、ここで注意点があります。



残される配偶者に、配偶者居住権を取得させるには「遺贈」により取得させることが必要です。

つまり、遺言書への記載は「遺贈する」でないといけません。
「相続させる」では無効と判断されてしまう可能性もあります。


この取り扱いは、「配偶者が配偶者居住権の取得を望まない場合、相続放棄をすることなく遺贈の放棄によって配偶者居住権の取得を拒むことができるようにするため」とのことです。

通常は「相続させる」と記載することがほとんどですので、これは専門家でも注意が必要ですね!